ライダー
                              株式会社ユアテック
                                    電気設備部
                                    小川 克郎
はじめに
  私とオートバイとの出会いは、昭和59年に25歳で普通自動二輪免許(中型)を
 取得し、ホンダのCBR400を購入して乗り始めたのが始まりです。年齢的に
 は遅い乗り出しでしたが、まだ数人の友達がオートバイに乗っていました。
  当時は空前のオートバイブームで、「レーサーレプリカ」とか「ネイキット」
 と呼ばれるタイプのバイクが全盛を極めていました。
  また、今でも人気のある北海道へのツーリングもブームで、当時は「ミツバチ
 族」と呼ばれ、道内全域をライダーが走り回っていました。

1.ツーリング
  私は今でもオートバイに乗り続けています。乗り続けるきっかけとなったのは
 初めて友達と2人で行った北海道へのツーリングです。
  お盆休みを利用してのツーリングであったためか、ライダーのほとんどが本州
 からのライダーで、対向車線を走ってきたライダーはほぼ全員がすれ違いざまに
 挨拶(ピースサイン)をしていました。また、観光地やコンビニの駐車場で知り
 合ったライダーと気軽に観光情報やツーリング中の出来事、バイクに関する話を
 していました。
  この初めてのツーリングで、「知床半島の灯台」まで羅臼港より地元の小さな
 漁船に乗って、外洋の荒波を頭から被り濡れながら行ったり、現在は立ち入り禁
 止となっている「カムイワッカの滝」で滝壺温泉に入ったり、今では体験出来な
 いことをすることが出来ました。この時の「予期しない未知の体験」が、今でも
 ツーリングを続ける要因になっています。
  いまでも私が全国をツーリングしているのは、有名な観光地を巡ることやツー
 リングスポットを走ることも楽しいのですが、ライダーと言う共通点により見ず
 知らずの人と気軽にコミュニケーションが出来ることが楽しみで乗り続けていま
 す。
  連休を利用してツーリングに出かける場合、1回のツーリングで3,000km
 位走るときも有りますが、この距離を車でドライブに出かけようとは決して思い
 ません。
  しかし、車に比べるとオートバイは非常に過酷です。オートバイのシートは固
 く、長時間の走行時にはお尻が痛くなります。また、同じ姿勢でいるため、首、
 背中、腰、膝も疲れて痛くなります。
  天候が良ければ爽快なのですが、夏はエンジンの排熱で暑いし、冬は外気に体
 が曝されているうえ走行による風のため非常に寒いです。また、横風が吹けば車
 体が横に流され、雨が降れば前が良く見えません。常に「自然との闘い」が続き
 ます。
  バイクに乗り続けることは、「苦行」を行っているように感じることも有りま
 す。











    北海道 国道232号線 (オロロン街道)         北海道 国道232号線 (三国峠)












          山口県 角島大橋                島根県 県道338号線

2.ライダーハウス
  ツーリングの際に、私が宿泊施設として利用しているのは「ライダーハウス」
 です。ライダーハウスとは、自転車乗り(チャリダー)かオートバイのライダー
 を主な対象とした簡易の宿泊施設です。利用料は、無料から3,000円程度で
 全国に有りますが、特に北海道と長野県に多いようです。
  ライダーハウスは営利目的で無く、宿主の善意により行われている場合が多く
 施設の形態も多種多様です。民宿や民家の1室から崩壊しそうなあばら家まで当
 たり外れがあります。夏のエアコン、冬の暖房も期待できません。
  また、基本的には寝袋持参の雑魚寝ですが、寝具が有るところも有ります。
 私はバイクの荷物を出来るだけ少なくしたいため、寝具が有るところを利用する
 ようにしています。
  ツーリングシーズン(春から秋)の休日は混雑しており、一人あたりのスペー
 スが狭くてゆっくり休めないことも有ります。年寄りの私には体力的にかなりき
 ついのですが、一般の宿泊施設を利用せずライダーハウスを利用しています。
 利用する理由は、利用料が安いこともありますが、同宿するライダーとの会話
 (宴会)が楽しいからです。
  年齢、職業、出身地、性別も違う見ず知らずの人間が出会い、全国各地の情報
 や自分が経験出来ないこと、自分では考えつかないことを聞くことが出来るから
 です。












        ライダーハウス (北海道)             ライダーハウス (北海道)

3.ライダー
  ライダーには、いろいろなタイプの人がいます。私のように一人で全国各地を
 ツーリングしている人、タンデムツーリング(2人乗り)を楽しむ夫婦、いくつ
 になっても峠を攻めている人、「自分探しの旅」と称してカブ(ホンダのスーパ
 ーカブ50cc)で全国一周をしている若者、全国一周の途中で特定のライダー
 ハウス(沼と称されている)に埋没する若者、全国の神社・寺院の朱印を集めて
 いる人、ライダーであるという優越感に浸っている人などなど。
  近年は20代のライダーよりも、若いときは金銭的に大型オートバイが買えな
 かった人、または昔の思い出(過去の栄光)を再現すべく50〜60代でまたオ
 ートバイを乗り始めた「リターンライダー」、旧型の(一部リメイク若しくはデ
 コレーションした)オートバイをこよなく愛している「旧車会」のメンバーが沢
 山います。
  皆さん思い思いに、仲間と若しくは一人で、それぞれ走りたいところを、それ
 ぞれのペースでツーリングを楽しんでいるようです。













         北海道 宗谷岬                 福島県 高速道路パーキング

最後に
  近年、ライダー人口は年々減少しており、リターンライダーが居なくなる20
 年後位には絶滅危惧種に指定され、ライダーは「死語となるのでは」と懸念して
 います。
  私は将来の絶滅危惧種の一員として、経済的に、体力的に許す限り、未知の体
 験や未知の人種を求めて乗り続けたいと思います。
  オートバイは決して安全で快適な乗り物ではありませんが、その機動性、操作
 性において非常に楽しい乗り物です。興味のある方は、一度チャレンジしてみて
 は如何でしょうか。