活動名 | 「株式会社日立製作所 笠戸事業所」 |
実施日 | 平成29年(2017年)2月22日(水)9:30~17:00 |
場所 | 「株式会社日立製作所 笠戸事業所」 山口県下松市大字東豊井794 |
参加者 | 23名 |
主催 | 計装士会 |
協賛 | (一社)日本計装工業会 |
報告者 | 中国地区担当幹事 久城 啓史 |
1.はじめに
今年度は山口県下松市の日立製作所 笠戸事業所を訪問しました。
日立笠戸事業所は、鉄道車両を製造する工場で、JR、民鉄向けを問わず幅広く扱い、新幹線向けの車両を多く製造し、他のJR電車車両及び阪急電鉄,東武鉄道等の車両や各種モノレールの製造実績があり、現在は、英国向けの高速車両も製造を行っている。
車両は、リサイクル性に優れた軽量アルミ素材を採用し、新接合技術でゆがみが少なく無塗装でも美しい車両となっています。
2.施設概要
山口県下松市の南部、笠戸島の対岸に工場群を構える。
敷地面積:約52万㎡。 製造された車両は専用線を通じて山陽本線下松駅から全国に発送(甲種輸送)される。
なお、新幹線車両は工場内の岸壁から、海外向け車両は工場近くの岸壁(徳山下松港)から船積により発送される。
現在は、電車車両の製造が主力となっているが、かつては蒸気機関車、電気機関車、ディーゼル機関車、気動車、客車、貨車の製造も行っていた。
3.見学内容
まず、会議室で笠戸事業所の説明と会社概要のビデオを視聴し、バスで製作工場施設へ移動しました。最初はアルミ車両本体の組立工程について説明を受け、真近での無垢 車両外装に圧倒され、改めて大きさを実感しました。
ここで、アルミの接合が溶接ではなく摩擦による特殊な接合技術で大型の接合でもひずみの出ない技術を教わりました。
次に車両先端部の見学では、アルミの見事な曲線部、内面を格子状に削り出すことで 補強を行っていること、また海外仕様では,衝突時の対策も考慮された仕様となっていることも説明がありました。
次の工程では、車両下部の許容スペースでの機材組込とケーブル配線及び配管関係の見学を行い、ボルトの締付は規定トルクによる締付をタブレットで確認して個々の締付データを記録し、最後に打音による音でも確認するというダブルチェックで、品質管理を行っている説明を受けました。その後の塗装された車両工場では、その色と艶に魅了されました。
一連の製造工場の見学を終え、バスで移動し歴史記念館を拝観させていただきました、館内では、創立以来の製品模型や展示物が一同に並び深い歴史の変遷に感動しました。
最後に歴史記念館近くのモノレールを背景に集合写真を撮らせていただき、その後会議室に集合して全体の説明を受け、そのスケールの大きさに興味深々で多くの質問が参加者の関心の高さを示していました。
4.おわりに
この度は、中々見る機会のない鉄道車両の製造工程を拝見させていただき、その芸術的な車両に圧倒されました、見学後の参加者アンケートでも、多くの皆様が良い見聞をさせていただき、とても有意義だったと書かれていました。
終わりに、この見学会にご協力いただきました、㈱日立製作所中国支社及び笠戸事業所の皆さま方にはこの紙面をお借りして厚く御礼申しあげます。
以 上