カテゴリー
活動報告(四国)

『プラント計装工事における設計の現状と今後』

活動名『プラント計装工事における設計の現状と今後』
講師
村重 宜宏 講師
  千代田システムテクノロジーズ㈱ 経営企画室長
実施日平成25年(2013年)7月18日(木)14:00~17:00
場所サンポートホール高松 62会議室
  香川県高松市サンポート2-1
参加者18名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 土田 雅彦
はじめに

 四国地区では、平成25年度上期の地区活動として、7月18日に勉強会を開催いたしました。
以下に概要を報告いたします。

講習内容

 ①プラント計装工事設計の現状(国内プロジェクトと海外プロジェクトの違い)
    ・計装工事の種類
    ・計装工事設計
    ・作成する図面とその内容
    ・計装工事設計の課題

  ②プラント計装工事設計の今後
    ・計装工事設計の体制
    ・標準化の推進
    ・eICL(Instrument Construction List)
    ・eMTO(Material Take Off)
    ・eBOA(Bulk Order Assistance)
    ・計装工事設計ガイド

  ③2D-CADの現状と今後
    ・計装設計における2D-CADの位置付け
    ・CADの歴史
    ・CADのシステム概要
    ・AutoCADとMicrostationの互換性
    ・3Dから2Dへの変換
    ・エンジニアとして知っておく事

  ④3D-CADの現状と今後
    ・3D設計の背景と今後
    ・3D事例説明
    ・3D設計のWork Flow、Activity
    ・3D設計のメリット
    ・3D設計 現状の問題点と改善案

村重講師
勉強会の様子
勉強会の様子
所 感

 プラント計装工事設計について、各種計装工事(計器室内工事、現場計器取付工事、導圧配管工事、空気配管工事、計装配線工事、ケーブル布設工事)の国内と海外の違い、ならびに今後工事設計を効率的実施かつ品質確保するための解決策(IT化、標準化等)、標準化策としてCAD活用の有効性を、カタールやサハリンでの海外LNGプロジェクト等に従事された経験に基づきご講演いただきました。
 海外での計装工事設計では、計装工事材料(安価な船輸送)の工事工程に支障ない納入および埋設ケーブルルート工事図面の早期作成(埋設ルート掘削は初期の土木工事で施工)、海外規格の理解・反映、作業員(多国籍多人数)の技量に合わせた内容がキーポイントであるが、これらが国内と随分違うことがわかりました。また、工事設計の標準化にはCADの活用が有効であること、加えて従来の2D-CADと3D-CADの双方活用により現場設備の干渉有無チェックやケーブルトレイ等計装工事の早期着手による工事量平準化にも可能性があることがわかりました。
 さらに、3D-CADはプラント建設完了後も、設備改修工事の設計だけでなくプラント運転訓練等への活用可能性が期待できることもわかりました。
 本テーマは、私達参加者が知らない海外事情やCAD活用の情報であり、興味深く、新しい知見を得られ有意義でした。
 最後に、ご多忙中にもかかわらず講師をお引き受けいただいた村重様に厚くお礼申し上げるとともに、講師ならびにご参加いただいた皆様の今後とも益々のご活躍をご祈念致します。

以 上

カテゴリー
活動報告(中国)

『プラント計装工事における設計の現状と今後』 ① テーマ1 プラント計装工事設計の国内と海外プロジェクトの違い ② テーマ2 プラント計装工事のCAD設計ート

活動名『プラント計装工事における設計の現状と今後』
① テーマ1 プラント計装工事設計の国内と海外プロジェクトの違い
② テーマ2 プラント計装工事のCAD設計
講師
村重 宜宏 講師
  千代田システムテクノロジーズ㈱ 経営企画室長
実施日平成25年(2013年)7月17日(水)14:00~17:00
場所㈱中電工 本店電気ビル13階会議室
  広島県広島市中区小網町
参加者24名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者中国地区担当幹事 前原 修二
概 要(項目)

 【テーマ1】 
        ① 海外プロジェクトの計装工事設計を行う上でのポイント
        ② プラント計装工事設計とは
        ③ プラント計装工事設計の最新動向
        ④ プラント計装工事の種類
        ⑤ 計装工事で作成する図面とその内容
        ⑥ プラント計装工事設計の問題点
        ⑦ 今後のプラント計装工事体制
        ⑧ プラント計装工事設計の標準化

 【テーマ2】
        ① 2D-CADの目的
        ② 計装設計における2D-CADの位置付け
        ③ 2D、3D-CADの概要(互換性)
        ④ 3Dから2Dへの変換目的
        ⑤ 3D-CAD設計の背景と今後
        ⑥ 3Dの事例説明

勉強会の様子

 標記の講義内容に対して、アンケート結果から多数の方が、興味を持った内容として、海外でのプラント計装工事の施工 ポイントと2D、3D-CAD設計のメリットを上げられていました。
 また、今回の勉強会参加者全員が次回も是非出席したいということで、幹事 としまして大変良かったと思いました。
 関係者のご協力に感謝いたします。
 最後に村重先生の海外におけるプラント計装工事の実態と対策について、 貴重な体験を交え、分かりやすく説明していただき、その幅広く奥深い内容 に大変感銘いたしました。
 今後とも、益々お元気で活躍されることを希望します。

以 上

カテゴリー
活動報告(近畿)

「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」  第1部:情報システムセキュリティ  第2部:制御システムセキュリティ

活動名「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」
 第1部:情報システムセキュリティ
 第2部:制御システムセキュリティ
講師
電気通信大学 教授
情報理工学研究科 知能機械工学専攻 電子制御システムコース
工学博士 新 誠一 先生
実施日平成25年(2013年)7月5日(金)14:00~17:00
場所新梅田研修センター
 大阪市福島区福島6-22-20
参加者120名 (内計装士会14名)
主催(一社)日本計装工業会
協賛計装士会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二
はじめに

 平成25年度近畿地区上期活動として、(一社)日本計装工業会主催の「特別講演会」に共催という形で参加させて頂きました。
 インターネットが広く一般に利用され、コンピュータの汎用化が進む現在、サイバー攻撃の脅威は日増しに増大している。もはや、政府機関、企業、大学のみならず、重要インフラや工場プラントシステムへの影響も現実のものとなっている。このようなサイバー攻撃の脅威、その現状と対策について、第1部:情報システムセキュリティ第2部:制御システムセキュリテイの2部にわけて講演していただきました。
 また、新教授が理事長の任に着かれている「制御システムセキュリティセンター(CSSC)」の発足の経緯、活動についてもご紹介いただきました。

講演概要

 第1部:情報システムセキュリティ

  1)情報
   ・情報とは言葉、情報セキュリティ=言葉の改竄防止
   ・情報化とは、抽象化、名前付け
   ・21世紀に入って、物質・エネルギー・情報は融合して考えなければならない。
   ・情報の認証、暗号化、監視、これらをどのステージ(情報通信、情報蓄積、情報処理)と組み合わせるかにより、システムのセキュリティ対策レベルが分類できる。

  2)サイバー攻撃
   ・Dos攻撃
   ・フィッシング詐欺
   ・Brute force attack

  3)情報セキュリティ対策
   ・マルウェア
   ・ファジング
   ・パスワードが数字4桁で設定されていたとすると、コンピュータを使えば1秒もかからずその組み合わせを見つけることができてしまう。それを防ぐために、金融機関で は3回パスワードを間違えたらそのパスワードは使えないようにしている。これが現 在の銀行のセキュリティレベルである。
   ・指紋認証、静脈認証といった生体認証もよく使われるが、一度流出すればどうしよう もない。
   ・各社からいろいろな対策ツールが発表されているが、どのような対策を施しても内部に実行犯が存在する限り防ぎようがないのは過去も現在も同じである。

  第2部:制御システムセキュリティ

  1)制御システムセキュリティの必要性
   ・1971年マイクロプロセッサの登場
    現在では、スマートタウン、スマートハウスなどの構想の元、コンピューターをネットワークでつないで生活の快適性、利便性を追求するようになっている。
   ・制御用端末はWindows2000以降、専用マシンから汎用マシンに置き換わってきたが、それに伴い攻撃を受けやすくなっている。

  2)制御系システムのセキュリティに要求すべきこと
   ・機能安全(安全計装)の部分に脆弱性がないか。
   ・外部との接続の有無を確認し、その部分のセキュリティを向上させること。
   ・Stuxnetの登場により
    ネットワークに接続されていないコントローラは安全である。
    特殊なOSだから攻撃されない。
    専門家はすべて善人だ。
    といった、従来では当たり前のこととして考えられていたことが全て間違いであるということを認識しなけ
    ればならなくなった。

  3)制御系セキュリティ対策の難しさ
   ・容易に止められない。
   ・保有が長期
    システムに実装されているソフトウェア、ハードウェアのアップグレード、入れ替えが難しい。

  4)CSSCについて(制御システムセキュリティへの対策動向)
    宮城県多賀城市に制御システムセキュリティセンター東北多賀城本部が開所。
    日本国内の制御システムセキュリティに関する対策拠点。
    多賀城本部には、プラント分野、ビル分野の模擬システムが構築され、制御システムセキュリティの研究開発が行われている。
    (活動・取組み)
      ・制御システムのセキュリティ確保に資する研究開発の遂行。
      ・テストベッドの構築
      ・普及啓発・人材育成の推進
      ・インシデントハンドリングのサポート
      ・国際標準化活動と評価認証事業の立ち上げ

新 誠一 教授

聴講風景

中谷専務理事 挨拶

六平計装士会代表幹事 挨拶

おわりに

 全体で約2時間半に及びましたが、非常に興味深く有益な講演となりました。
 計装士会としても、今後さらに、有益な情報提供、情報交換の場であるように講演会、見学会 等を企画、開催していきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の講演会にご尽力いただきました新教授、(一社)日本計装工業会殿の関係者の皆様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。

以 上

カテゴリー
技術資料(会員限定)

サイバー攻撃の脅威、その現状と対策

講演者:電気通信大学教授

情報理工学研究科

 知能機械工学専攻 電子制御システムコース

工学博士 新 誠一

講演会 報告書作成

計装士会 企画・研修委員

奥住 俊明

この記事はPDFになります。

ご覧になる場合はボタンをクリックしてください。

解  説

  サイバー攻撃とは、ネットワークやサーバに対してIT技術を使って行われる攻撃のことを言 い、サイバーテロと呼ばれる場合もあります。初期はウェブサイトの閲覧機能を失わせたり、ホームページの改ざん、ウィルスの感染などがありました。
  ここ数年は特定のターゲットに特定の目的をもって攻撃を加える、いわゆる標的型攻撃が増加してきて大きな社会問題になってきています。企業や官庁から情報を盗んだり改ざんしたり破壊する行為が、現代社会における新しい脅威となってきています。
  近年は、サイバー攻撃の影響を受けづらいとされてきた電力・ガス・水道・交通・ビルなどの社会インフラを監視制御するシステムに対しても、その攻撃が発見され、重大な事象に発展する事例も出てきています。
  このような社会的背景の中、この分野の権威であられます新 誠一先生に、「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」と題して、情報システム分野と我々のビジネスフィールドである計装制御システム分野についての現状と対策について、講演していただきましたので報告します。

プロフィール

1980年 東京大学大学院工学系研究科修士課程終了、同年同大学工学部計数工学科助手
1987年 工学博士(東京大学)、同大学講師を経て1988年筑波大学電子・情報工学系助教授
1992年 東京大学工学部助教授、2001年同大学情報理工学系研究科助教授。現在に至る。

講演の内容について

第1部では、情報システムに対するセキュリティについて、解説いただきました。
・情報とは言葉。情報セキュリティとは言葉の改竄防止である。
・昔はソースコード(文字列)をコンパイルして初めてコンピュ ータで実行できたが、今は文字列自体で実行できる(フラッシュ、HTMLなど)。
・生体に感染するウィルスと、情報のウィルスは類似性がある。共に自己増殖機能がない。
・Dos(Detail of Service:ドス)攻撃、みんなで電話をかけまくれば輻輳して通信不能に。
インターネットでも同じ手法で、相手の業務を妨害することができる。
・フィッシング詐欺、ホームページを似せて作り利用者をだす。
・Brute force attack、パスワードを総当たり式に暗号解読る。4桁ならコンピュータで数秒で解読できる。
・ファジング、ソフトウエアの脆弱性を見つけるためのテスト。
・人の能力を越えた機械、機械による攻撃で、高速、広範囲、執拗な攻撃が可能に。
・ファイヤーウォール、インターネットから内部のネットワークを守る。ファイヤーウォールの外側にハニーポットを置く。 情報や資源がありそうな部分を用意して、それにつられた侵
入者を観察したり、肝心なものを守る。ハニーポット付の製品もある。
・ホワイトリスト型セキュリティ対策ソフト、不正侵入対策機能により基地のネットワークウィルスの感染を防止する。
・マルウエアセンサ、サイバー攻撃・マルウエア感染に確実に気付く。ネットワークに侵入したマルウエアをキャッチし通知する。

【第2部 計装制御システム分野】

 第2部では、我々の業務にもっとも関連が深い制御系システムのセキュリティについて、解説いただきました。
・1971年、世界初のマイクロプロセッサの「4004」が誕生。 計算機の心臓部となり、パーソナル・コンピュータをはじめ、 生命のないものに知性を与えた。
・アナログ計装からDCS(分散制御システム)へ、DCSは進化た。
・専用から汎用へ。メーカーの専用機器と専用ソフトウエアの時代は終わった。
・人と機械の関係も変化・機械は小型軽量化、いつでもどこも。
・商売は、販売から維持管理の時代に。維持管理で稼ぐ。エンジニアはチェンジニア(調子がわるくなったら交換するだけ)に。
・Stuxnet(スタックスネット)、2010年9月、イランの核燃料施設のウラン濃縮用遠心分離機を標的としてサイバー攻撃が実行された。Windowsの4つの脆弱性を利用、独シーメンスのPLCが標的に。イスラエルとアメリカが開発し攻撃したと言われている。
・神話の崩壊、
1)非インターネット環境の神話崩壊、USBおよびエンジニアリングツール経由で感染させた。
2)非汎用OSは攻撃されないという神話崩壊、特定OSを用いたコントローラを狙い撃ちした。
3)専門家善人神話崩壊、エンジニアリングツールやコントローラの専門家が攻撃へ参加。
・制御系セキュリティ対策の難しさ、
1)容易に止められない → クラウド、予備機によるシミュレーションの活用。
2)保有が長期 → ソフトウエア、ハードウエアの新陳代化。
3)ソフトの暴走はメカの暴走 → ハードも含んだシミュレーション。

 【技術研究組合 制御システムセキュリティセンター(CSSC)について】

 経済産業省が主催して2011年に「制御システムセキュリティ検討タスクフォース」を立ち上げ、2012年3月は「技術研究組合制御システムセキュリティセンター」を設立しました。
 新先生は当初からタスクフォース座長を務められており、CSSC設立と同時に理事長に就任されました。CSSC設立の目的は、制御システムのセキュリティ確保を目指すこと。そのために検証、研究開発、インシデントサポート、認証スキーム、国際連携、人材育成・普及啓発、そしてテストベッドの構築を行います。
 現在、宮城県多賀城市のソニー(株)仙台テクノロジーセンター敷地内のみやぎ復興パーク内に、テストベッドを構築中で、お台場のCSSC本部と結び、実際のオフィスビルと同様なネットワーク構成を用いてシステムセキュリティ検証試験を2013年4月から行う予定になっています。またCSSCの認証活動は、2014年の4月から行う予定とのことです。

          奥住 俊明

カテゴリー
活動報告(関東・甲信越)

『サイバー攻撃の脅威、その現状と対策』   第1部 情報システム分野   第2部 計装制御システム分野

活動名『サイバー攻撃の脅威、その現状と対策』
  第1部 情報システム分野
  第2部 計装制御システム分野   
講師
電気通信大学 教授 新 誠一 先生
実施日平成25年(2013年)3月1日(金) 14:00~17:00
場所東京電業協会 第会議室 (地下1階)
  東京都港区元赤坂
参加者132名(うち計装士会11名)
主催(一社)日本計装工業会
協賛計装士会
報告者企画・研修委員 奥住 俊明
1.はじめに

 平成24年度の関東・甲信越地区下期活動として、日本計装工業会主催、計装士会共催で上記の講演会を開催しました。
 当日は事務局も含めて全員で133名の方が聴講しました。
 サイバー攻撃とは、ネットワークやサーバに対してIT技術を使って行われる攻撃のことを言い、サイバーテロと呼ばれる場合もあります。初期はウェブサイトの閲覧機能を失わせたり、ホームページの改ざん、ウィルスの感染などがありました。
 ここ数年は特定のターゲットに特定の目的をもって攻撃を加える、いわゆる標的型攻撃が増加してきて大きな社会問題になってきています。
 企業や官庁から情報を盗んだり改ざんしたり破壊する行為が、現代社会における新しい脅威となってきています。近年は、サイバー攻撃の影響を受けづらいとされてきた電力・ガス・水道・交通・ビルなどの社会インフラを監視制御するシステムに対しても、その攻撃が発見され、重大な事象に発展する事例も出てきています。                        
 このような社会的背景の中、この分野の権威であられます新 誠一先生に、「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」と題して、情報システム分野と我々のビジネスフィールドである計装制御システム分野について、講演していただきましたので報告します。

新 誠一 先生

講師紹介

  新 誠一 先生  電気通信大学 教授

   情報理工学研究科 知能機械工学専攻 電子制御システムコース 工学博士

・プロフィール
    1980年東京大学大学院工学系研究科修士課程終了、同年、同大学工学部計数工学科助手、1987年工学博士(東京大学)、同大学講師を経て1988年筑波大学電子・情報工学系助教授、1992年東京大学工学部助教授、2001年同大学情報理工学系研究科助教授、2006年電気通信大学教授現在に至る。

・主な実績と活動
    1991年、1993年、1998年計測自動制御学会論文賞ならびに1992年同賞武田賞受賞
    2006年同技術賞受賞。
    制御理論を中心に広く工学全体に興味を持つ。計測自動制御学会フェロー、同副会長。
    日本応用数理学会評議員。(財)製造科学技術センター評議員。
    IAF(Industrial Automation Forum)運営委員長。日本能率協会2012GOOD FACTORY賞審査委員長。2012年3月、技術共同組合 制御システムセキュリティセンター(CSSC:Control System Security Center)理事長。
    日本計装工業会はもとより、計装士会とのつながりも深く、2003~04年に「ユビキタスセンシングと計装」、2009~10年には「未来の車」というテーマで、計装士会の講演会としてそれぞれ全国7カ所で実施。

講演会会場の様子

  講演の内容について

  【第1部 情報システム分野】

   第1部では、情報システムに対するセキュリティについて、解説いただきました。
  ・情報とは言葉。情報セキュリティとは言葉の改竄防止である。
  ・昔はソースコード(文字列)をコンパイルして初めてコンピュータで実行できたが、今は文字列自体で実行できる(フラッシュ、HTMLなど)。
  ・生体に感染するウィルスと、情報のウィルスは類似性がある。共に自己増殖機能がない。
  ・DoS(Denial Of Service:ドス)攻撃、みんなで電話をかけまくれば輻輳して通信不能に。
   インターネットでも同じ手法で、相手の業務を妨害することができる。
  ・フィッシング詐欺、ホームページを似せて作り利用者をだます。
  ・Brute force attack、パスワードを総当たり式に暗号解読する。4桁ならコンピュータで数秒で解読できる。
  ・ファジング、ソフトウエアの脆弱性を見つけるためのテスト。
  ・人の能力を越えた機械、機械による攻撃で、高速、広範囲、執拗な攻撃が可能に。
  ・ファイヤーウォール、インターネットから内部のネットワークを守る。ファイヤーウォールの外側にハニーポットを置く。情報や資源がありそうな部分を用意して、それにつられた侵入者を観察したり、肝心なものを守
   る。ハニーポット付の製品もある。
  ・ホワイトリスト型セキュリティ対策ソフト、不正侵入対策機能により基地のネットワークウィルスの感染を防止する。
  ・マルウエアセンサ、サイバー攻撃・マルウエア感染に確実に気付く。ネットワークに侵入したマルウエアをキャッチし通知する。

  【第2部 計装制御システム分野】

   第2部では、我々の業務にもっとも関連が深い制御系システムのセキュリティについて、解説いただきました。
  ・1971年、世界初のマイクロプロセッサの「4004」が誕生。計算機の心臓部となり、パーソナル・コンピュータをはじめ、生命のないものに知性を与えた。
  ・アナログ計装からDCS(分散制御システム)へ、DCSは進化した。
  ・専用から汎用へ。メーカーの専用機器と専用ソフトウエアの時代は終わった。
  ・人と機械の関係も変化・機械は小型軽量化、いつでもどこでも。
  ・商売は、販売から維持管理の時代に。維持管理で稼ぐ。エンジニアはチェンジニア(調子がわるくなったら交換するだけ)に。
  ・Stuxnet(スタックスネット)、2010年9月、イランの核燃料施設のウラン濃縮用遠心分離機を標的としてサイバー攻撃が実行された。Windowsの4つの脆弱性を利用、独シーメンスのPLCが標的に。イスラエルとアメリカが開発し攻撃したと言われている。
  ・神話の崩壊
   1)非インターネット環境の神話崩壊、USBおよびエンジニアリングツール経由で感染させた。
   2)非汎用OSは攻撃されないという神話崩壊、特定OSを用いたコントローラを狙い撃ちした。
   3)専門家善人神話崩壊、エンジニアリングツールやコントローラの専門家が攻撃へ参加。
  ・制御系セキュリティ対策の難しさ
   1)容易に止められない → クラウド、予備機によるシミュレーションの活用。
   2)保有が長期 → ソフトウエア、ハードウエアの新陳代謝化。
   3)ソフトの暴走はメカの暴走 → ハードも含んだシミュレーション。

  【技術研究組合 制御システムセキュリティセンター(CSSC)について】

    経済産業省が主催して2011年に「制御システムセキュリティ検討タスクフォース」を立ち上げ、2012年3月には「技術研究組合制御システムセキュリティセンター」を設立しました。
    新先生は当初からタスクフォース座長を務められており、CSSC設立と同時に理事長に就任されました。
    CSSC設立の目的は、制御システムのセキュリティ確保を目指すこと。そのために検証、研究開発、インシデントサポート、認証スキーム、国際連携、人材育成・普及啓発、そしてテストベッドの構築を行います。現在、宮城県多賀城市のソニー(株)仙台テクノロジーセンター敷地内のみやぎ復興パーク内に、テストベッドを構築中で、お台場のCSSC本部と結び、実際のオフィスビルと同様なネットワーク構成を用いてシステムセキュリティ検証試験を2013年4月から行う予定になっています。またCSSCの認証活動は、2014年の4月から行う予定とのことです。

以 上

カテゴリー
コラム

地震について

東光電気工事株式会社
東京支社リニューアル部
吉野賢治

 3.11東日本大震災から1年が経ち、震災にあわれた方にとっては、忘れられない 事だと思います。
心より御冥福をお祈りいたします。
 多少の知識はありますが、私が関心を持ったので調べた事を書いてみました。

1. 地震とは

 地震は、地下の岩盤のずれ、破壊によって起こる。
 岩盤は、非常に硬くある一定の圧力により、破壊が起きる。
 圧力が耐えられなくなり限界を超えると破壊し、エネルギーが一気に放出する状態。
 日本全国には、陸域で約2000の活断層があるそうです。

2. 地震波について

 地震波は、速度が速いP波(縦波)、速度が遅いS波(横波)に分けられる。
 はじめに感じられる細かい震動(初期微動)がP波、激しい震動が、S波となり、通常たてゆれを感じるのが、P波となり、その後、激しい横ゆれが起きるのが、S波となる。

3. マグニチュードと震度

 『マグニチュード』は、そのものの大きさを表す。
 『震度』は、ゆれのつよさを表す。
 マグニチュードは、エネルギー量を表す指数で、地震計の最大振幅等を用いて計算する。
 専門的な計算式なので、省略する。
 日本の表記は、気象庁マグニチュードを採用しており、世界では、異なるとされている。
 マグニチュードの大きさは、1増えると約32倍、2増えると約1000倍になる。
 ちなみに、関東大震災は、M7.9、阪神淡路大震災は、M7.3、東日本大震災は、M9.0であった。
 従って、東日本大震災は、阪神・淡路大震災の約1000倍のエネルギーの地震であった。 震度は、気象庁が定めている震度階級がある。
 震度0~7(0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7)の10段階でわかれている。
 昔は、体感や被害状況により判断していたが、今は、地震計を用いて判断している。
 震度は、各地にある震度計による物で、設置してある地盤等の条件により、異なる。
 又、気象庁の観測点は、全国で約4,200地点ある。(各自治体等分含む)
 マグニチュードは、地震そのものの大きさ、震度は、各地の規模の大きさの目安とさ れる。

4. 緊急地震速報について

 日本の気象庁が提供している地震警報システムの一つである。
 主要動の到達前に速報を行うシステムとしては、世界初であるとされている。
 震源に近い観測点の地震計で捉えた地震波のデータ解析し、震源位置、規模を即座に推定し、各地での到達時間、震度を推定して可能な限り素早く知らせるもの。
 テレビ等の一般向けが拡大していき、携帯電話にも広く導入されている。その他、高度利用者向けを提供する端末や、ソフトウェアが多様な方式の事業者によって提供されて いる。
仕組みとしては、初期微動のP波と、S波の伝播速度の差を利用して予測する。
 (P波は、毎秒約7km、S波は、毎秒約4km)
 ある資料によると、対応時間が5秒(5秒前に地震速報を知る)あれば、死傷軽減率が約80%軽減できるとされている。
 現在は、携帯電話、スマートフォンアプリにて速報を利用する人がいるが、その情報としては、気象庁の速報にて情報を得ている。
 東日本大震災から注目されるようになった。一般向けから、企業向けまで様々な機器があり、使用目的により選ぶことができる。
 3.11東日本大震災から1年が経過し、日本国民が地震の恐ろしさを痛感したと思う。
 各メディアで、地震に関する報道をされているが、各自住んでいる地域他、日ごろ生活している場所の特長を把握し、防衛することが大事だと思う。

カテゴリー
コラム

「オモパラクッカー」

カシオ計算機㈱ 現在フリー

地域少年のボランティア 山下 優

ヒント

所在なく、ごろ寝テレビのナガラ視でチャンネルを適当に切り替えていたらタイ国の街道風景をバラエティ風にレポーターが取材している映像が飛び込んできた。
 カンカン照りの中、穴のあいたデコボコの舗装道路を大勢の人々がゆったりと行き交わっている。
 カメラがぐるっと回って痩せぎすの目付きの鋭い一人の男性を映し出した。ニコリともせず何か品物を真剣に売っている。二言三言、言葉があって男の手元がクローズアップされた。そこには数本の串刺しの焼き鳥が並べられていた。彼は露天の焼き鳥屋だった。
 再びカメラが回った。今度は何やら異形の構造物を映し出した。それは屏風のような枠組みをしていて結構大きい。その枠組みには手の平より多少大きめのきらきらと光る小さな部品がきちんと並べて取り付けられている。その部品をカメラはまたクローズアップした。手鏡だ。
相当な数の手鏡を枠にぶら下げたその構造物は太陽を真正面にしてそそり立っていた。この屏風ごとき代物の中心にこの男の商売品、竹串に刺された鶏肉が何本か並べられていた。
判った!、これ、手鏡利用太陽熱集熱器、パラボラクッカーだ!このところエコの話題がマスコミでもとりあげられるようになってきた。原理そのもののこの装置はシンプルで わかりやすい。俄然興味が湧いてきた。これ、いいんじゃないか!

地域の子供体験教室

おもろば大南という地域の小・中学生を集めて体験遊びさせる活動に参加している。
 「大南子供おもしろ広場体験教室」がフルネームで「子供も大人も一緒に体験遊びを楽しもう」という目的で有志の人々で8年前に立ちあげられ現在に至っている。
 参加する子供たちは地域の小学生、中学生で登録制になっている。
 昔遊び、化石採集~標本つくり、縄文調理遊び、農作業~収穫祭、理科実験パズル、科学工作などなどがあり、 年行事としては地域のお祭りに参加、ここでキッザニヤ風テントを張って「おもろばグッズ」の販売体験をする。
 「おもしろ科学工作」これが私の担当で、理科・算数の原理を身近にある材料を使って工作遊びで楽しみながら 知ってもらおうとしている。
 パラボラクッカーに興味をひかれたのはこの背景があったからで、作ってみようかなという思いが閃いたのは このテーマ担当としての成り行きだったわけです。

企 画

「パラボラで太陽熱を集めて調理体験をしてみよう」、思いつきを早速スタッフに持ち込んだ。了解は即決、企画案の作成に取り掛かった。
 ネットで検索すれば設計情報は簡単に手に入ると思っていたのだがこれが甘かった。検索ではクッカーの商品カタログばかりがあふれていてどうもおもしろくない。結局、自前で考えることにした。初歩の問題がある。焼き鳥をつくるのにはど
れくらいの大きさのパラボラが必要なのか? ネット情報のあてが外れたわけで、出だしからつまずいている。何とかしなくてはならない。やむなく近場の図書館を訪ねた。本棚の前をうろついてみたけれどこれという書籍は見当たらない。
所詮、パラボラ設計の手引きなんて都合のよい本があることを期待すること自体が甘いのだ。ふと思いついた。理科年表、そう、あれに太陽関連のデータがあるのではないか。再び本棚の前、しかしこの年表が見当たらない。やむなく司書の方に所在を訪ねてみる。うーんと言って考えている。あのような本は見る人もまずいないのだろう。ちょっと間があって「こちらです」。図書室の片隅のなんという分類に入っていたのかは忘れたけれど、とにかくとてもわかりにくいところに目的の理科年表は置いてあった。
 久しぶりにこの小型の分厚い書籍を手にした。版は4年前のものだけどそんなこと構わない。パラパラっと見る、スッとページがすぎて何もヒントになるものが引っかかってこない。ジワリとあせりが生まれてきた。スタッフにはすぐできるような言い回しでかっこよく話をしてしまっている。困った。軽率は癖だから仕方ない。ちょっと弱気になりながら慎重に索引を見る。太陽・太陽・太陽・・・。
にらめっこすることしばらく、「正午直達日射量瞬間値の月平均」という項目が目に飛び込んできた。ん! これ使えそう。 ページを開く、単位面積当りに降り注ぐ太陽熱を実測した月平均の瞬間値が記載してある。 よかった!これ使える!後は計算だけだ。やれやれである。肩から力がすっと抜けた。
でも、ほっとしたのはつかの間で、また難問が湧きあがってきた。焼き鳥を焼くってどれくらいの熱量がいるのだろうか? この問題については流石に参考文献なんてものは期待できない。深く考えもしないでしゃべってしまった話は後が怖い。 焼き鳥はずいぶんと食べたけど、焼きあがる火力なんて気にしたことはない。
結局、エイヤで決めた。20℃の水1リットルを15分で100℃にするとした。根拠はあいまいで模糊。何しろ焼き鳥と水の相関関係なんてことも飛躍があり過ぎて知る由もない、根拠はと言えば自宅のガスコンロをガチャガチャと捻ってお湯を沸かして「こんなものかなあ」と個人的に感じただけで、この判断は恥ずかしくてあまり人には言えない。

設計・パーツ製作

パラボラの焦点位置は外周の高さとした。
パラボラの外に焦点を置くと周辺の「もの」を燃やしてしまう危険がある。火事になる、実際に事件は有ったらしい。危険は避けなければならない、やはり焦点の位置は面の高さが限度だ。構造要求のこの1件はこれで良い。後は計算だけ。太陽熱を受けるパラボラの必要表面積を計算、続いてパラボラの直径を割り出した。1.8mと出た。スタッフと2回目の話し合い。クレームがついた。「だめだよそんなに大きいのは、子供の手が届かない」ごもっとも。子供仕様でどのくらいの大きさががいいのか。結局、直径1.5mと結論づけた。
 この寸法で熱量が足りるのかどうかは判らない。まずは試作機という名称で性能確認をすることにした。
 パラボラを設計、構造は木製でねじ止め組み立て式、子供たちが組み立てられる仕様だ。続いてパーツを設計、仕様に合う材料を指定、部品表ができた。この部品表を手に材料の仕入れに走る。行先は100均ショップ。このお店、なんでも売ってる。驚きを感じる。たかが100円なんて言っては失礼という気持ちになる。
仕入れした材料を目の前に山積みにした。結構な量だ。そのボリュームにたじろぐ。中学校の工作室の設備を使わしてもらえないか交渉、了解を得た。よかった。
幸いなことに必要な工作機器はここにすべてそろっていた。スタッフとお父さん方の協力で朝から作業に入る。即席の作業チームとは思えない。順調に作業を終了、
試運転の日にちを決めて本日は御苦労さん。

組立・試運転&性能確認

  反射板となるプラスチックの板を計算の寸法で切り出し、反射フイルムを張り付ける。これですべてのパーツが揃った。 組立てが始まる。部品の加工寸法は思いのほか精度良好。1.5mのクッカーの姿が徐々に見えてきた結構でかい。 組上がったパラボラクッカーを晴天の公園中央に引っ張り出してセット。天気は良い。太陽の光を受けて焦点部分が白っぽく 輝やいた。
  この装置、遠めに見ても結構派手だ。周囲の人たちが興味深げに集まってきた。装置を太陽に正確に正対させる。最初は「燃焼テスト」だ。新聞紙を筒状に丸めてパラボラの焦点に近づけた。 1秒、2秒、紙が焦げる匂いがして煙が出てきた。3秒ほどで炎が出た。結構凄い。

目玉焼き

 フライパンにサラダ油を少し入れて生卵を落としてみた。 一瞬静止した状態があって、すぐに卵白が白色に変わる。 黄身は7分くらい。これで目玉焼きができあがった。焼けていく状態が目で見ていてわかる。待ち時間はそう気にしなくてよさそうだ。おもしろい。食べてみた。ガスコンロで焼いた目玉焼きよりも滑らかで、軟らかくて、しっかりしていて口当たりがよい。おいしいという
評価がでた。成功である。

焼き餅

 お餅をあみの上に乗せて焦点部分にセットしてみた。煙が出ない。シーンとした感じで極めて静的である、???。
しばらくそのままにして置いたら、急に乗せていた1個のお餅の横っぱらが膨らんだ。焦げ目はない。 赤外線だ!低温やけどのように中から加熱されている。これはおいしそうではない。お餅の焼き方は考え なくてはならない。

ウインナー

 目玉焼きと同じ。フライパンに少量のサラダ油を入れて炒める感じで焼いた。 しばらくするとフライパンの温度が上がりピチパチという音がして脂がはじけ飛んだ。ウインナーの表面も焦げ茶色に変わってきた。
妙な音がしてウインナーの横腹が裂け、大きな油玉が飛んだ。
大成功、一回で数個のウインナーが焼ける。
量産向きでこれは良い。 ただし、ウインナーには切れ目をつけておいた方がやけどをしなくて済みそうだ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

焼き鳥

本命の登場だ。
鶏肉を串にさし塩を振る。パラボラの焦点に金網を取りるけその上に鳥クシを並べた。3分時間が経過した。鶏肉が白っぽく変色してきたけれど大きな変化は現れない。 5分、鶏肉に付いていた皮の部分から脂が滴り落ちてきた。
煙は出ない。 焼き餅と同じだ。赤外線が肉の内部に浸透して表面は焼けずに、内側からローストされてきている。 にらめっこ数分、取り出して肉片を切ってみるとすでに全体にきれいに火が通っていた。
  試食、これは結構おいしい。歯あたりも軟らかくて仕上がり上々だ。

ただし、子供向けということについてこのレシピは若干の抵抗感が芽生えていた。
 1.5mパラボラは、調理器としての性能はこのサイズでも十分に備えていいることが分かった。
試作器は1号機と名称が変わった。
  実際に運転してみて熱源が炭火などとは性質が全く異なっていることを知らされた。 赤外線は浸透して物の内部の温度を上昇させる、これが性質だ、直火表面焼きとは全く異なる。
焦げ目をつけたい調理品はフライパンなどの容器を高温にしておいて、その高温度を利用して食材を加熱すればよいということが判った。

ネーミング

 これはスタッフと手伝ってくれたお父さんたちに提案を募った。結局、おもしろ広場から「おも」、パラボラの「パラ」そして機能としての「クッカー」を組み合わせ、名称を 「オモパラクッカー」と決めた。まあ、語呂も悪くはない、覚えやすい、いいんじゃないか。

教室開催

当日、子供たちが集まってきた。お父さん、お母さんと一緒の 子もいる。
おはようございます。まずは太陽熱の蘊蓄とパラボラ調理器の話を全員にする。
子供たちへの質問もする。物知りの子は自分の知っていることを大きな声で話す。 「ぼくつくったよ、ビニ傘にね、アルミホイル張って、お茶の筒に 水を入れておくとゆで卵ができるんだ!」
しばらく子供たちの自由な声が飛び交った後、いよいよ オモパラクッカーの組み立てになる。
まずは骨組み、部品を ネジで止めていく。真剣だ。子供同士が上下で協力して組み 立てていく、そして反射板を取り付ける。

 クッカーの姿が子供たちの前に顕わになった。「すげー、でっかい、俺ウインナー持ってきた!」 最後に台車に乗せて運びだし、隣接している公園の中央にクッカーを備え付ける。
天気は良い。クッカーはまぶしく太陽の光を集め始める、焦点の位置にフライパンをセットした。
参加した子供たちは濃いめのサングラスを全員着用する。目を 太陽光の反射から保護するためだ。 サングラスをかけた子供がクッカーの回りを走り回る。大勢のちびギャングが出現した。 その姿が結構様になっていてかわいらしい。
こどもの一人がクッカーの焦点近くに手を入れた。 「アチィー!◎?X△☆□ムニャムニャ」、自然は凄い! 肌で実感、目で確かめる。理論は後、現象を知る、このことが 重要だ。

「君もやってみな」、怖気づいた子供は逃げていく。
フライパンにサラダオイルを少し注ぎ込む、お餅を数個放り込む、 油がすぐに跳ね始める、餅の表面が茶色になった。プッと 膨らんだところで取り出し、ちょっとさまして食べる。おいしい。 目玉焼き、焼きウインナーも調理。
目玉焼きは自分で卵を割って自分でフライパンに入れる。 焼きあがってくる食材の変化を興味深げに見ている。 「いいか?」「まだ半熟」「もう少し!」。
サングラスをかけた男の子が神妙な顔をして公園の片隅で 目玉焼きを食べている。
「おいしいか?」「 うん、今まで食べた目玉焼きの中で一番 うまい!」、神妙な顔付きがなかなかよい。
焦げ目のついた焼き餅も、しっかり熱の通ったウインナーも好評だ。あっという間に売り切れた。
子供たちの感想、「今日は楽しかったですか?」に、全員が 「おいしかった!」。
太陽熱はおいしいものだ、こんな発想が彼らの気持ちに残ってくれれば、これはこれで大成功なのだ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

体験教室雑感

 工作をしている時の子供たちの目はいつもきれいだと感じる。言葉では言いあらわせない。
工作が完成して「ヤッタ!」と叫んだときの子供たちの表情は輝いていてさらに生き生きとしている。
リニヤモーターカーの御先祖;永久磁石で車体もどきを浮きあがらせてスライドさせる。

光を食べるパンダ;光電素子を使って懐中電灯を向けるとモーターが回って後をついてくる。
 電気パン焼き器;電極の間にホットケーキミックスの粉を溶いて入れて100ボルトを懸ける。 ふかふかとした蒸しパンのような代物が10分ほどで出来上がる、結構おいしい。
 ダイオードラジオ;鉱石ラジオの代替え、バリコン・コイルは手作り、放送を捉えた時、感動がある。
 わたあめ機;複雑でちょっと難しい。砂糖はアルミ缶の底を加工したドラムで溶かす。熱源はニクロム線、回転は直流モータ。穴をあけたドラムに砂糖を入れる。溶け始めたら回転、直径10センチメートル位のわたあめが自分で作れる。とても評判がよい。
 などなど、子供たちは動きのある機能工作が大好きだ。狙いの機能が実現したその瞬間、彼らの感動が直に伝わってくる、理科・算数が苦手という子供が多い。
 残念なことだとつねづね思っている。この教科は本当は日常の生活の中にある事象そのものの確認で、もっとも身近にあることの「ナゼ」の勉強だと思っている。難しく考えることはないのだけれど実際は苦手とする子が多い。
 理科・算数を体験しよう、そう、体で皮膚で実感できればよい。理論は実感の上に乗ってくればよい。
 やじろべえをつくる。重力・重心なんてことは言わない。ひねくりまわした結果で重力・重心のあることを実感する。重りに換えて磁石を両端に取り付けてみる。南北にみんなのやじろべえが向きをそろえる。地球が磁石になっていることを知る。
 自分の手で工作したものが、機能を発揮して動作を開始する。ハッとした喜びがあって表情が輝く。以前はお爺いちゃん、お父さんが子供にこうした感動を伝えていたように記憶している。今は望めない。
手間はかかるけど実感と言う蓄積があれば理論や法則と言う「こむずしい」代物の理解はしやすくなるだろう。
 科学技術は実生活から離れてきてとっつきにくい分野になってきたのだろうか、そうは思いたくない、とっつけるトリガーがかかりにくい世相に今はなっているだけだと思う。
 人には、本来軽いノリを実現する能力がそなわっている。大げさにいうとこれは人の人たる遺伝子で、太古からの生存競争を生き延びてきた人類の財産といってもよいのではないかと考える。
 この思ったことを実現できる楽しさを子供たちに多少なりとも伝えられればといつも願っている。

カテゴリー
コラム

生活の中のPID制御動作

計装技術職業能力開発センター

この記事はPDFになります。

ご覧になる場合はボタンをクリックして下さい。

カテゴリー
コラム

不幸は突然やってくる「幻のシンガポール・タイツアー」

≪Eチケットをめぐる国際摩擦についての体験的問題提起≫

 ㈱オーテック
事業本部 千脇 信夫

「雨の成田空港」

本年2月27日、シンガポール・バンコクツアー4泊5日食事8回付き54,800円の格安ツアーに、淡い期待を胸に抱きながら6人の仲間と成田空港を飛び立ちました。
ところが、出発直後僅か(わずか)4時間で、シンガポールもバンコクも8回の食事もその日の宿も淡い期待も、それどころか帰りの飛行機も全て消え去るという驚天動地(きょうてんどうち)のトラブルに遭遇してしまいました。
事の顛末(てんまつ)を知れば「バカだなー」と思う人がほとんどだと思います。しかし、得難い数々の教訓を学びながらなんとか無事に戻って参りました。
 ここに自分たちの恥を忍びお役に立てればと考え、敢えて報告致す次第であります。

第1章「雨の成田空港:極めて順調なスタート」

忘れもしません2月27日(土曜日)は、未明から激しい雨が降り続き我々の前途を暗示すかのようでしたが、お気楽6人組みはルンルン気分で出発3時間前の7時30分頃には空港に集合し余裕で搭乗手続きを済ませ、9時過ぎには出発ロビーでビールや冷酒などを各自思い思いに飲みながら待機しておりました。
そうなんです!
我々は一昨年も同じメンバーで台湾ツアーを成功させたベテランなのであります。
ここでは、普段からお腹の具合の良くないNさんも冷えたワインなどを飲んでおりました。これが、後に起こる阿鼻叫喚(あびきょうかん)の大騒動の引き金になるとは夢にも思っておりませんでした。また、出発日が土曜であったことも騒動を長引かせ加速させる要因であったことも後で知りました。さらに、このベテランであるとの思い込みが追い討ちを掛けるように、錯誤を生み決定的な誤判断を下した最大の要因であったことを思い知らされる結果となったのでありました。
 何はともあれCX航空の飛行機に乗り込み、無事離陸した時には「このツアーの成功は間違いない!」と確信を持ったものでした。機内のドリンクサービスで冷たいジュースなどを飲んでいるうちに、機内食のサービスが始まりました。この機内食は、ツアーの8回の食事とは別であることを確認した時には、とても儲かった気分になり、Nさんを始めみんなで揃ってワインを飲み干していました。
この冷たいワインが第二の引き金となる危険なものだったのでした。

第2章「喧騒の香港空港:立ち往生で茫然自失」

 さて、数々の破綻の予兆を抱えながら飛行機は、乗り換えの為に香港空港に着陸しました。時刻は日本時間で午後3時、香港時間で午後2時でした。シンガポール便は日本時間4時の出発予定ですので、乗り換え時間は1時間あり余裕で構えておりました。到着ロビーは2階で、3階の出発ロビーに行くには関門を通って行く必要が有り、そこには長い行列が出来ていました。ベテランの我々は、出発ロビー方面は混雑しているので、とりあえず到着ロビーのトイレに行くことにしました。代わる代わるトイレに行き、最後にNさんがパスポートをはじめとして携帯電話や財布など身の回り品一切をそばに居たSさんに預けて、丸腰でトイレに入ったのですがこの丸腰が命取りでした。冷たいものを散々飲んだNさんは、通常より長くトイレで時間が掛かってしまい、丸腰である不安感とすっかり遅くなった焦りで、一目散に出発ロビーに行ってしまったのでした。トイレの前で雑談をしながら待っていた5人は、3時30分過ぎにようやく異変に気付きトイレの中や周辺を探し出しました。
トイレの個室の一つにずっと閉まったままで、呼び掛けても返事の無いところがありました。この個室に拉致されているのではないかと疑い、思い切って上から覗いてみたら点滴を打っている小父さんに睨まれてしまいました。丸腰のNさんは絶対に3階の出発ロビーには行けないと固く信じていた我々は、お金もパスポートも持っていないNさんを置き去りには出来ないと、再度広い空港内を探し回り空しく時間を浪費させたのでした。4時近くなって空港職員に「仲間が一人行方不明になった!」と、拙(つたな)い英語で話し掛けた所、その女性は事情を知っていたと見えて大声で出発ロビーに行くようにと英語で捲(まく)し立てられたのですが、「我々は仲間を置いては行けない!見つかるまでNさんを探す!!」と断固拒否したのでありました。(実際には女性が何を言っているか良く分らず、こちらも逐一事情を説明する英語力も無く、なんとなくそんなような会話と結果になったものです)。
 とうとう出発時刻の4時が過ぎてしまい、Nさんは国際組織に拉致されたか神隠しにあったかのどちらかしか考えられないと話し合っていたところに、女性職員に連れられたNさんがヒョッコリ帰って来たのでありました。無事な姿を見てホッと胸を撫ぜ下ろし、異国の地での再会を喜び合ったのも束の間、我々は更に恐ろしい現実に直面することになりました。

第3章 「空しい抗議:国際常識の壁」

トランジットに失敗した我々は、CX航空のカウンターに行くように言われ、6人揃って行って見ると、いきなり「ツーレイト!ウエイト!シットダウン!」と中年男の職員に一方的に言われ、それ以外何の説明も無い状態で放置されてしまったのです。我々はEチケットを持っており、予約は確保されていると確信を持って抗議を試みましたが、如何(いかん)せん英語が上手く喋れず聞き取れずの状態で埒(らち)が明きません。その内、やっとのことで日本語の分る女性職員から「Eチケットは、一旦乗らないと残り全てのチケットがキャンセルされますので、皆さんは今後このEチケットでは飛行機に乗れません。これは、世界の常識です。」と言われた時には、耳を疑うと同時に愕然としてしまいました。
なにしろ世界の常識です。
 旅行代理店のH社に国際電話を掛けた所、とにかく自力でCX航空と交渉してシンガポールへ行けと言うばかりです。そして、シンガポールから先のことは月曜日にCX航空と交渉して見なければ分らないという冷たいものでした。必死の思いでCX航空のカウンターで交渉をしている内に、「現在4時間後の最終便にキャンセル待ちをしている。上手(うま)くその最終便に乗ってシンガポールに行くことが出来れば、後のツアーも続けることが出来る。それに乗れなければ、翌日の便で片道航空機代金5万円強を別途支払ってシンガポールに行く事になるが、それから先のツアーが継続出来るかどうかは旅行代理店と交渉しなければ分らない」という状況がなんとなく分ってきました。今出来ることは午後8時の最終便に乗れるかどうかひたすら待つことだけでした。暇なので免税店で高級ウイスキーを買ってロビーで飲むことになり、買う寸前までいったのですが、今すぐ飲むのでコップが欲しいと言った途端、免税品は空港内で飲んではいけないと言われ買うことができませんでした。
 ここでも国際常識の壁に阻まれた訳です。香港ドルを持っていなかったので、千円札で安い買い物をしてそのお釣りで、一杯300円程度の蝦団子入り中華麺などを食べました。値段の割には満足のいくものですが、日本のラーメンとは全く異なる味で少し慣れる必要を感じました。
 さて、午後7時頃満を持してCX航空のカウンターにいくと、中年の男の職員から手で×印を作りながら「ノーシート!!!」と大声で言われました。カウンターはごった返しており、その中年はそれ切り見向きもしません。満席でキャンセル待ちがだめだったと悟った我々は、どうするかH社吉祥寺に携帯電話を掛け捲(まく)ったのですが、月曜にCX航空と交渉するからそれまではどうにもならないと言うことが理解出来たのは午後9時近くでした。搭乗前に預けた荷物はシンガポールに行ってしまったのではないかと思いきや、香港空港にあることが分ったので、とにかくもうこれ以上空港に居たくない!早く宿に入りたい!とH社香港に宿を予約してもらい一目散に宿に向おうとしましたが、分っているのは「パンダホテル」という宿の名前だけです。多少金は掛かるが確実なタクシーにするか電車かバスにするか迷いましたが、これからいくら掛かるか皆目検討が付かない状況なのでバスにすることにしました。この決断は結果的には正解でした。なんと言っても料金は300円位で2階建てバスに乗ることが出来たのです。このホテル名だけを頼りに何回も人に尋ねながらやっとの思いで宿に着いたのは10時半過ぎでした。
 やはりすんなりとチェックインは出来ませんでしたが、やっと部屋に入ったあとは、夜の街に食を求めて放浪しなければなりません。ツアーからドロップアウトした我々は、自力で生きていくしか道は残されていないのでありました。
ここに、香港サバイバルの幕が切って落とされたのであります。

「深浅(しんせん)の町並み」

第4章 (最終章)「香港サバイバル:自力で生き抜いた4泊5日」

 黙っていても食べ物に有り付けるツアー客は本当に恵まれています。我々は、お金の心配をしながら何処で何を食べるか悩まなければなりません。ともかく夜11時頃ホテルの近所の安そうな食堂に入りました。何はともあれ、声高らかに「ビール!!」と注文しました。ところが、ビールは無いと断られてしまったのです。店を間違えたと思い帰りかけた所、店の主人に手招きで近所のコンビニ(サークルK)に案内され、そこで缶ビールを買って店で飲めばよいと教わりました。このシステムは放浪生活を営む我々にとっては、安く済む大変良いシステムで、以後あらゆる店で活用してなんとか食費を安く浮かせることが出来て感謝しております。特に地元香港の”サンミゲールビール” 500ml缶が11HK$(12倍すると日本円になるので132円)と安くて美味しくてお薦めです。セブンイレブンでは、どういう訳か2缶なら15HK$(180円)になるという安売りの存在を知ったのはずっと後のことでした。
ただし、このビール持ち込みシステムは高級店ではやっておりません。大衆店だけの制度です。制度と言うより、食堂でビールを持ち込んで飲んでいるのは我々だけでした。香港の人たちは共働きが多く自宅で料理を作らず、もっぱら外食ばかりでほとんどの店が食事専門でした。店は定食のメニューが豊富で朝メニュー・昼メニュー・夜メニューと時間帯で分かれており、朝6時から夜12時位まで営業していました。香港の人たちはここでビールも酒も飲まず、三度三度食事をしている訳です。料理は、所謂(いわゆる)中華料理と言うか麺類・炒め物・揚げ物が主体で野菜や魚介類がほとんど無いのに堪えました。味付けがどこかエスニック風で、肉類は香辛料が強く少し努力をしないと食べ辛い気がしました。でも、20~30HK$(300円程度)でいろんな定食が食べられて本当に助かりました。

 今の所、帰りの目途も立っていない我々ですが、食事は何とかなると分りましたので後は観光です。やはり香港ならあの慕情の丘、澳門(まかお)ならカジノを覗(のぞ)いて見なくてはなりません。また、国境の町深浅(しんせん)にも行って本場中国の実態を垣間見たいなどいろいろな希望が出ました。取りあえず日曜日は香港島に行くことにし、後のことは月曜日のH社との交渉次第でどうなるか分らないので考えないことにしました。そして月曜日の火の出るような交渉の結果、本来のツアーの最終日の飛行機に追加料金一人2万円で帰ることが出来るようになりました。なんのこともありません、本来我々が乗るはずだった香港発の飛行機に追い銭を払って乗っただけのことだったのでした。
 終わってみると、香港・澳門(まかお)・深浅(しんせん)を巡るおっかなビックリの手づくりツアーは、失敗も多かったけれど得難い数々の経験をすることが出来て感謝の気持ちで一杯です。
 最後に一つ教訓を書きます。空港で帰りの航空券代をカードで支払う際、一人だけカードが使えないという事態が発生しました。カウンターの端末画面に「廃用」と大きく表示されていました。カード会社に国際電話を掛けようとしましたが「0120」は繋がらず、他の番号も分らず結局別の人のカードで支払ったのですが、もし一人だったらどうにもならないのでゾッとしました。やはり予備カードを持っておくべきであると痛感した次第であります。
 ともかく、宿代と航空券代を除く4泊5日の食費・交通費など諸費用は1人2万円程度で済みました。香港の人たちがみんな明るくて親切で助かりました。今思い出しても、恥ずかしいような懐かしいような気持ちがして、再度行く機会があるとしたなら、やはり手づくりツアーで行きたいと思っています。
 つまらない話を書きましたが、今後の参考にしていただければ幸いです。
 最後になりますが、計装士会の益々の発展をお祈りいたします。

「香港のダウンタウン」
カテゴリー
コラム

千代田計装㈱「計装工事施工資格認定制度」のご紹介

千代田計装㈱
                             計装本部 本部付
                                   計装士会副代表幹事 六平 克

はじめに

当社では、水島地区・鹿島地区の顧客、当社、元請会社が一体となって実施している計装工事共通認定制度を基本ベースとして、当社独自の認定制度を制定し当社4事業所を拠点とした全国展開を図っています。
 以下に、当社の「計装工事施工資格認定制度」の概要を紹介致します。

「計装工事施工資格認定制度」

1.目的

顧客との継続的な信頼関係の構築、関係会社/協力会社との 関係維持の為に、認定制度の目的を下記の通りとする。
 1) 計装工事施工技術の維持、向上、技能伝承。
 2) 品質維持、安全作業の遂行。

2.組織及び役割

運営組織及び役割は「添付-1」(省略:以下同じ)の通りとする。

3.認定制度概要

計装工事施工技術者に対し筆記試験、実技試験を実施し、合格者に対して認定シールを発行する。             又、合格者の所属会社に対して合格認定書を発行する。

資格認定項目は下記の通りとする。
 1) 耐圧パッキン施工士
 2) ケーブル端末処理士
 3) 解・結線士
 4) ガスケット装着士
 5) チュービング施工士
 6) 銅管施工士

4.運営要領

下記の資格認定手順により運営を行う。
  運営フローは「添付-2」(省略)を参照。

1) 認定試験官育成の為の教育者の任命
国内事業本部長は、認定試験官を育成する為の教育者を、下記の条件を全て満足する者の中から任命する。
・条件-1:計装士1級を取得し、現場監督経験20年を有する者。
・条件-2:「水島地区共通技術認定制度」に関して、設立当初から顧客と一体となって参画し、設立後も積極的な運営協力、教宣活動を行い、その地域で顧客に認知されている者。
・条件-3:国内事業本部長が、教育者として技術的に十分な技量を有すると認めた者。

2) 認定試験官の任命
国内事業本部長は、認定試験官を、下記の条件を全て満足する者の中から任命する。
・条件-1:計装士1級を取得し、現場監督経験10年を有する者。
・条件-2:所属の事業所長が技術的に十分な技量を有すると認めた者。

・条件-3:上記1)項の教育者により技術教育を受け、教育者が認定試験官として技術的に十分な技量を有するものと認めた者。
・条件-4:国内事業本部長が、認定試験官として技術的に十分な技量を有すると認めた者。
尚、教育内容、教育資料、教育時間については下記の通りとする。

No.書 類 名 称教育時間
1資格認定制度による工事の信頼性向上とコスト削減90分以上
2耐圧パッキン施工30分以上
3ケーブル端末処理施工60分以上
4解、結線施工45分以上
5ガスケット装着施工30分以上
6チュービング施工60分以上
7銅管施工45分以上

3)技術教育

認定試験官は受験者に対して、計装工事施工技術の教育を実施する。
教育内容、教育資料、教育時間は上記2)項の認定試験官教育と同じとする。

4)筆記試験、実技試験及び合格点

認定試験官は受験者対し、上記6項3)の技術教育を行った後に、筆記試験及び実技試験を実施する。
試験結果を各事業所長経由で資格認定制度実行委員会(以下、実行委員会」という)へ提出する。
実行委員会は試験結果を精査し、国内事業本部長へ報告する。
筆記試験、実技試験の試験問題及び、合格点は下記の通りとする。

No.書 類 名 称筆記試験実施試験
1耐圧パッキン施工士 試験問題(実技)90点
2ケーブル端末処理士 試験問題(実技)90点
3解・結線士 試験問題(実技)91点
4ガスケット装着士 試験問題(筆記・実技)90点91点
5チュービング施工士 試験問題(筆記・実技)80点88点
6銅管施工士 試験問題(筆記・実技)85点85点

5) 合格者の認定
実行委員会は試験結果を国内事業本部長へ報告し、国内事業本  部長が合格者を認定する。

6) 認定シール及び認定証の発行
実行委員会は合格者に対して「添付-3」(省略)の認定シールを、合格者の所属会社に対して「添付-4」
(省略)の計装工事資格認定   認定証を発行する。
合格者の認定番号は「添付-5」(省略)により決定する。

5.その他規定

1) 受験の申込み
・受験を申込む場合は、受験者の所属会社が「添付-6」(省略)受験申込用紙に必要事項を記入して、「添付-1」組織図に示される管轄事業所長へ提出する。

2) 資格認定者の義務
・認定シールをヘルメットに貼り作業を行うこと、また工事監督者は作業前に認定シールの確認を行うこと。
・随時、教育資料を熟読して施工技術の維持及び向上に努めること。

3) 資格認定の有効期限及び更新
・資格認定試験合格者の有効期限は、資格取得から2年後の年の12月31日までとする。
(例:2006年4月に合格した者の有効期限は2008年の12月31日までとする。)
・有効期限が切れるために再認定を受ける場合は、技術教育及び実技試験を実施し、筆記試験は免除する。
・実行委員会は資格認定者の所属会社に対して、有効期限の切れる6ヶ月前に再受験の案内を行うこと。

4)認定シールの再交付
  ・資格認定者がヘルメット交換等の理由により認定シールの再交付を依頼した場合、資格認定合格の有無を確認
   し再交付する。

5) 費用
・資格認定試験に係わる費用(教育資料、試験問題、実技試験用消耗品等)は当社負担とする。

6) 実行委員会の開催
・定期的に実行委員会を開催し、運営方法、教育資料、筆記試験問題、実技試験問題等について検討、見直しを実施する。

7) 役割
・本部長、実行委員会、事業試験官、認定試験官の役割は「添付-1」組織図に示す通りとする。

8) 試験の免除
・「水島地区共通技術認定制度」及び「鹿島地区共通技術認定制度」での認定をうけている者は、当社の認定制度の合格者として認め、認定試検を免除する。また、当社の認定制度合格者が上記の水島地区及び鹿島地区での作業を行う場合は、各事業所長がその地区の顧客の承認を得なければならない。