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活動報告(中部・北陸)

「知の拠点あいち」

活動名「知の拠点あいち」
実施日平成29年(2017年)2月13日(月) 14:00~15:50
場所「知の拠点あいち」
  愛知県豊田市八草町秋合1267-1
参加者23名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者中部・北陸地区担当幹事 加藤 順一
1.はじめに

 平成28年度の中部・北陸地区計装士会見学会では、「知の拠点あいち」を見学しました。
 連日平年を下回る気温が続く中、寒さにも関わらず全員が時間前に集合され、10分前倒しの開催となりました。
 今回の見学は、シンクロトロン光装置を見るのが目玉でした。一般的には2階フロアから窓越しに見下ろし説明を受けるだけなのですが、日程を非利用日に当たる月曜日に設定することにより、装置の間近まで行き説明を受けることが出来ました。もちろんこの企画は、施設を 管理されておられる(公財)科学技術交流財団様の多大なるご厚意により実現できました。
 この、知の拠点あいちは名古屋市の郊外の瀬戸市と豊田市の境界線上に位置しているめずらしい立地です。2005年に開催された愛知万博の駐車場を利用した為と云うことでした。
 この施設は、最先端の研究開発環境を備え、付加価値の高いモノづくり技術を支援している研究開発拠点です。

2.見学内容

 (1)「知の拠点あいち」の全体の説明:
   会議室にて、「知の拠点あいち」を構成している「あいち産業科学技術総合センター」と「あいちシンクロトロン光センター」に関して説明を受けました。
   この施設の特徴は、全国の同様な施設に比べ民間の利用が多く大学や公的機関の利用を上回っており60%を占めることです。このことは、企業が新たな製品を創造するのに有益な支援ではと感じました。愛知のモノづくり文化にもつながっていきます。
  「あいち産業科学技術総合センター」は、愛知県の施設で、あいち産業科学技術総合センターが運営しています。ここは、県内にある各技術センターの本部としての位置づけです。
   この施設の機能は、技術支援業務として技術相談・技術指導、共同研究、受託研究等及び、試験・分析測定業務として依頼試験等を行っています。
   「あいちシンクロトロン光センター」は、ナノレベルの先端計測分析施設で、シンクロトロン光というビームを照射することにより、化学状態や構造を測定します。短時間、非破壊、実使用環境下で、極微量の試料でも測定できるそうです。
   同様な施設でよく知られているのは、兵庫県にある「Spring-8」です。「あいちシンクロトロン光センター」は、それより小規模な為あまり知られていません。(公財)科学技術交流財団の施設です。

 (2)シンクロトロン光設備の見学:
   シンクロトロン光とは、光速で直進する電子が電磁石で進行方向を変えられたとき発生する電磁波です。この電磁波は、曲がらず直進する非常に明るい光です。
   まず、一般の見学と同様に2階フロアから窓越しに説明を受けました。その後実験ホール内へ入り装置毎の説明を受けました。
   シンクロトロン光は、コンクリートの壁の中で電子が放射され、加速するリングと蓄積するリングを経て、電磁石により発生します。コンクリートの壁の中は放射線が発生しています。
   発生したシンクロトロン光は、ビームラインと呼ばれるコンクリートから突き出した枝を進み、分析資料へ照射されます。ビームラインは10本近くあり、各ビームラインは用途が違います。
   それぞれの分析に関して、装置の前まで近づき説明をしてもらえました。
   説明していただいたのは、シンクロトロン光産業利用コーディネータである工学博士の方で、非常に恐縮しました。

3.おわりに

 当日の案内や説明ばかりでなく、見学の企画も無理を聞いていただきました(公財)科学技術交流財団の方々に感謝申し上げます。

以 上

科学技術展示コーナー前で見学参加者集合写真