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活動報告(九州・沖縄)

① 『空調自動制御のチェックポイント』 ② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』

活動名① 『空調自動制御のチェックポイント』
② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』
講師
①三機工業㈱ 建築設備技術本部 副本部長
   助飛羅 力 講師
② ジョンソンコントロールズ㈱ プロダクトマーケティング本部
   桧山 達哉 講師
実施日平成25年(2013年)11月12日(火)13:30~17:00
場所㈱九電工 福岡支店 1F 多目的ホール
参加者29名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者九州・沖縄地区担当幹事 橋本 重広
はじめに

 九州・沖縄地区では平成25年度の活動として、11月12日(火)に上記内容にて勉強会を開催致しました。
以下に概要の報告を致します。

講演内容

 テーマ ① 『空調自動制御のチェックポイント』

  1.全体
   ①設計仕様の確認
     ・温湿度設計条件、温湿度の変動幅の条件
   ②客先仕様の有無の確認
     ・制御回路の電圧指定、信号等の外部取出し方法、ランプの表示色、独自の計装図の表示方法

  2.機器まわり
   ①計装設計の表示
     ・調節器の設定値を明示する、空調機器表との整合性、中央監視設備との整合性
   ②電気的インターロックの確認
     ・熱源周り、排気ファン周り、空調機周り
   ③冷凍機まわり
     ・台数制御時の冷凍機が停止しないか、台数制御時の冷水供給温度は変動する、冷凍機本体の冷水出口温度は変動する、冷凍機本体の温度制御サーモのトラブルが多い、冷凍機油のフォーミング、微少負荷時にポンプバイパス内の循環だけで温度が上昇することがある
   ④冷却塔まわり
     ・冷却水の温度範囲は(冷凍機によって異なる)、冷却水の水質管理は、冷却水の冬期の凍結防止対策は、冷却塔まわりの温度制御は
   ⑤ヘッダーまわり
     ・ヘッダー間バイパスの流れは、ポンプ台数制御とINVを併用していないか
   ⑥水槽まわり
     ・排水用水中ポンプ発停用のフロートスイッチ、電極棒の長さの設定は誰が?
   ⑦外気調和機まわり
    ・凍結防止用蒸気コイルの空気下流側温度分布、給排気バランスの崩れによる障害
   ⑧空調機まわり
    ・加湿蒸気がダクトに充満し吹き出し口より水滴が落下、加湿(水・蒸気)前後の空気状態は
   ⑨制御弁
     ・弁サイズは適切か、停電時の弁開度は、制御弁の流れ方向は適切か、制御弁上流のストレーナのメッシュ数は適切か、制御弁の位置、バルブの限界差圧に注意、制御弁は漏れる
   ⑩VAVの選定
     ・サイズ、給気温度は適切か、温度制御方法は適切か
   ⑪ファンコイルユニット
     ・FCUの冷凍自動切替が冬期にうまくいかない
   ⑫ビルマルチエアコン
     ・ビルマルの温度制御は吸い込み温度

  3.センサー
   ①センサーの仕様
     ・センサーの精度は、雰囲気空気の質は、導管の詰まりは、電力・熱量等を計量する場合の単位パルス数は適切か
   ②センサーの設置は
     ・温度の異なる空気の合流ダクト(配管)では合流後に温度分布が残り、場所による計測誤差が大きい
     ・配管ヘッダーでは計測点によって大きく温度差がある
     ・適切な挿入長は、適切な挿入長が確保できないときは、適切な挿入場所は
     ・流量計について、水流量計の上流、下流に整流用の距離は確保されているか
     ・流量計にはバイパスが必要か
     ・熱量(流量)の合計値は合わない

  4.盤、配線
   ①停電、瞬停時の動作は
     ・停電後に大容量機器が同時に起動すると突入電流により電気容量がオーバーする
     ・瞬停と瞬低の確認。瞬停でも手動復帰となる
     ・瞬停時にインバーターが100%運転となる
     ・復電時の運転順序の確認
   ②自動制御盤の構成は
     ・盤名称は、盤内のノイズ対策は、盤内の温度対策は
     ・盤内冷却用のファンの故障が多い
     ・信号の取り合いの種別確認は
   ③インバータのオプション設定は
     ・最低周波数、立上がり勾配は設定してあるか
     ・瞬停後の復帰動作は
     ・インバータの発熱対策は
   ④配線ルートは
     ・計装配線が動力配線からノイズを拾う
     ・インバータノイズ対策の具体例

  5.保守契約は
     ・自動制御機器には寿命がある
     ・センサー類は校正が必要
     ・機器本体のセンサーとの誤差

助飛羅講師 受講風景

 テーマ ② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』

  1.IT(information technology)の基礎
   ①コンピュータ通信における基礎
     ・情報量の単位、bit、byte
     ・通信、片方向通信、半二重通信、全二重通信
     ・用語、http、Ethernet、Tcp/Ip、パケット、IPv4、IPv6、オブジェクト
     ・プロトコル
     ・OSI参照モデル
   ②ビルの中で使われるプロトコロについて
     ・代表的なプロトコルの比較
      CC-Link、DeviceNet、Modbus、LonWorks、BACnet
     ・BAシステムの概念 クローズドシステム、オープン化システム
     ・BAで構成されるシステム BACnet+LonWorks
     ・BACnetの変遷
     ・LonWorksの特徴、変遷
     ・ジョンソンコントロールズ・フィールドバスの比較
     ・新たな時代のオープンシステム
   ③BACnetについて
     ・BACnetとは?、世界的な規模は?、日本では?
     ・BACnetの特徴
     ・BTL:BACnet Testing Laboratories 認証機関
     ・BTL認証のカテゴリ
     ・JC製BACnetデバイス
     ・BACnet IDを持つ日本の企業、団体の一覧
     ・BACnet MS/TPでオープン化の選択肢が広がる
   ④オープン化について
     ・市場環境・動向:多棟管理全体統合化イメージ(標準化)
     ・スマート・コミュニティの必要性
     ・次世代の社会システム構築
     ・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル )

桧山講師 受講風景
所 感

 今回の勉強会では、空調自動制御のチェックポイントについて現場の実務に沿った内容で具体的に説明していただき、とても理解しやすかったと思います。
 また、BAを計画するにあたり必要な基礎知識やネットワークについての説明などもわかりやすく、興味深く拝聴しました。
 最後にご多忙中にもかかわらず、講師をお引き受けいただきました助飛羅講師、桧山講師に厚くお礼申し上げるとともに、今後とも益々のご活躍をお祈り申し上げます。

以 上