活動名 | ① 『空調自動制御のチェックポイント』 ② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』 講師 ① 助飛羅 力 講師 三機工業㈱ 建築設備事業本部 技術統括本部 技師長室 技術エキスパート ② 桧山 達哉 講師 ジョンソンコントロールズ㈱ プロダクトマーケティング部 |
実施日 | 平成26年(2014年)7月24日(木)13:30~17:00 |
場所 | サンポートホール高松 63会議室 香川県高松市サンポート2-1 |
参加者 | 21名 |
主催 | 計装士会 |
協賛 | (一社)日本計装工業会 |
報告者 | 四国地区担当幹事 土田 雅彦 |
はじめに
四国地区では、平成26年度上期の地区活動として、7月24日に勉強会を開催いたしました。以下に概要を報告いたします。
テーマ内容
1.空調自動制御のチェックポイント
① 全体
・設計仕様、客先仕様の有無の確認
・2管式と4管式
・計装設計図の表示
② 機器周り
・機器構成の確認
・冷凍機、冷却塔、ポンプ、水槽、油タンク、外気調和機、空調機まわり
・ファンコイルユニット ・ビルマルチエアコン
③ 制御弁・VAV
④ センサー
・センサーの仕様
・温度センサー、流量計の設置は
⑤ 盤・配線
・自動制御盤の構成は
・停電・瞬停時の動作は
・インバータのオプション設定は
・配線ルートは
⑥保守
2.ITの基礎とビルオートメーションの通信バス
①IT(Information Technology)の基礎
・コンピュータ通信における基礎、用語
・プロトコル
・OSI参照モデル
②ビルの中で使われるプロトコルについて
・代表的なプロトコルの比較
・ビルオートメーション(BA)システムの概念
・ビルオートメーション(BA)で構成されるシステム
・BACnetの変遷、LonWorksの特徴・変遷
・ジョンソンコントロールズ・フィールドバスの比較
・新たな時代のオープンシステム
③BACnetについて
・BACnetの特徴、BTL(BACnet Testing Laboratories)認証のカテゴリー
・BACnetデバイス
④オープン化について
・市場環境・動向 スマートコミュニティの必要性
・市場環境・動向 次世代の社会システム構築
・市場環境・動向 ZBW(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
・なぜオープンシステムか
所 感
ビル空調自動制御について、各種構成機器(空調機、冷凍機、冷却塔、ポンプ、油タンク、制御弁等)の設計・施工・保守に関して留意するポイント、ならびに自動制御用ネットワークシステムのプロトコル(コンピューター言語)概要とプロトコル標準化によるオープンシステムの必要性、次世代スマート・コミュニティ(電力、再生可能エネルギー、ビル省エネ等各種ネットワークのシームレス連係)への展望をご講演いただきました。
お二人の講師には2年前にも関連テーマでご講演いただきました。
設計・施工・保守に関しては、トラブル事例が盛り込まれ設備施工者の視点で充実が図られました。
最適な自動制御とするには、客先要求仕様と現場状況の正確な把握が必要であること、既存設備仕様の制約上、自動制御対応が困難な場合があることなどがわかりました。
また、ネットワークシステムに関しては、ソフトウェアの新しい知見でした。メーカの独自仕様(クローズドシステム)からメーカ間のシームレス通信を可能とするオープン仕様に変わることで、マルチベンダ化や汎用化によるシステムコストの低減や、さらに各種ネットワークシステムがシームレスに連係することで将来のスマートコミュニティ実現への環境整備に寄与できる可能性があることがわかりました。
最後に、ご多忙中にもかかわらず講師をお引き受けいただいた助飛羅様、桧山様に厚くお礼申し上げるとともに、講師ならびにご参加いただいた皆様の今後とも益々のご活躍をご祈念致します。
以 上